やっと読み終えた『ソネット詩集』

やっと読み終えた『ソネット詩集』
年末年始休暇でのチャージも切れつつあり、自分の疲れやすさを改めて実感する寒い休日です。そんななかでも今日は、11月から少しずつ読んでいたシェイクスピアの『ソネット詩集』全154篇をとうとう通読しました。日本語訳を音読し、英語原詩を音読し、注解を黙読して再度原詩を音読という、自室でしかできない読み方をしていました。あまりにも詳細な注解に記された『ソネット』受容やテクスト校訂の歴史は、とても全部を理解することはできませんが、韻律上のことでは注解から多大な示唆を得ました。古い英詩を読んでいると、見たこともないような単語がたくさん出てきますが、『ソネット』で面白かったのは、

Betwixt mine eye and heart...
ぼくの目と心のあいだに…(第47番)

などと使われるbetwixtです。注解にはbetweenのことだとあります。twixtという形も出てきて、なるほどドイツ語のzwischenと同語源かなと思いました(ちなみにmine eyeというのは、母音で始まる単語の前でmyはmineになったとのことです)。全篇を読み終えてなお、第18番の美しさに恋着するのは素朴すぎる読者でしょうか。

But thy eternal summer shall not fade
けれどもきみの永遠の夏が移ろうことはない

という1行が、寒さのなかで時の移ろいやすさを思う私に、束の間の夢を見せてくれます。

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