「あ、それと、一回目の主役、シモンくんだからよろしくぅ」
「え」
「ホントだよ?台本見てみなよ。一回目の主人公、シモンくんになってるでしょ?」
「あ、ほんとだ・・・って、は!!?こ、これ、主人公とヒロインの恋物語じゃねーかぁ!!」
「あ、やっぱ嫌だった?許してよー!それに、別にいいでしょ?ヒロイン役私だし、なんも意識することないじゃん」
「別に嫌ではないけど、なんていうか・・・」
俺は全て言い切ることができなくてモゴモゴしていると、すかさずに
「恥ずかしいんだ?」
「心読める系の方?」
またお腹抱えて笑うハル。まぁ、楽しそうで何より。
「明日から練習開始するから!覚悟しといてよー?」
「「はぁ〜い」」
最後はみんな一致で決定した。
ていうかハル、もし出席番号で別れなかったり、別の人が考えた劇になってたらどうしたんだろ・・・。もしかしたらハルは本当に予知能力だとか、心が読めたりするのかもしれない。
「今、私の予想が外れてたらどうしてたんだろうとか思ってたでショ」
・・・・・・本当に心が読めるらしい。
「言っとくけど、私は心なんか読めないからね!シモンくんが顔に出やすいだけだよ?」
なんていうか、ちょっと怖い。いや、けっこう怖い。だいぶ怖い。
「ほら、今怖いって思ったでしょ?そんな顔してる。」
いやだから怖いってっ!!!!!!
「やっぱりそういう系の方・・・?」
「ナニソレぇ!!ひどい!!!」
「シモンくんが顔に出やすいだけだよ」とか言いながらクスクス笑ってる。本当に怖い。いや、ちょっと面白い。ていうか、俺そんなに顔に出やすいタイプだろうか。次からは気をつけなければ。
とにかく、文化祭の出し物の内容が決まって良かった。
「がんばろうね!私の王子サマ♡(劇の中のセリフ)」
「【訂正】やっぱり良くない」
「えぇー??」
―続く―